第214話

ナタリーはアルファ・セバスチャンへ身を乗り出し、傍目には誰にでも感じのいい微笑みを浮かべてみせた。

「今の彼女が、どれだけ簡単に場を掌握できるようになったか、見える?」

アルファ・セバスチャンの顔が曇った。

ナタリーは炭酸水をひと口含み、声を落とす。

「まるで、最初から問題は彼女じゃなかったみたい」

アルファ・セバスチャンは何も言わない。

「あなたの影から出た途端に、彼女は輝き始めたのよ」ナタリーは付け足した。「少しは胸に刺さるでしょうね」

彼の表情が硬くなる。

ナタリーはグラスの向こうに笑みを沈めた。「落ち着いて、アルファ・セバスチャン。私たちはレセプションに来ているだけ」

...

ログインして続きを読む